お前、可愛すぎてムカつく。


そのあとも水原さんの言うことに先生はタジタジだったけど、何を話してるのかわからなかった。


ただ覚えてるのは、蒼空の笑顔だけ。


私が先生と付き合ってたとしても…きっとなんとも思わないんだね。


「榎本さーん、今日20時上がりでしょ?家遠いんだから先生に送ってもらったら?」


「え…?」


ショックで水原さんの言葉も耳に入ってこなかった。


いつの間にか蒼空はその場にいなくて…


「そーなのか?じゃそれまでここで飯でも食ってるから」


「え!大丈夫です!私1人で帰れますからっ」


「お前ここから遠いんだから危ないだろ。遠慮すんな」

そう言って半ば強引に決められてしまった。


「フフッ榎本さんもやるわね。先生と付き合ってるなんて」

先生がいなくなったあと、水原さんが耳元で笑いながら言った。


「付き合ってなんかないっ…」


「ムキになるところが余計怪しい〜。でも良かったわね、蒼空を忘れさせてくれる人ができて。私このことは学校には内緒にしててあげるから」


そう言って足取り軽やかにレジの方へと行ってしまった。



< 230 / 307 >

この作品をシェア

pagetop