お前、可愛すぎてムカつく。
そのあとも水原さんの言うことに先生はタジタジだったけど、何を話してるのかわからなかった。
ただ覚えてるのは、蒼空の笑顔だけ。
私が先生と付き合ってたとしても…きっとなんとも思わないんだね。
「榎本さーん、今日20時上がりでしょ?家遠いんだから先生に送ってもらったら?」
「え…?」
ショックで水原さんの言葉も耳に入ってこなかった。
いつの間にか蒼空はその場にいなくて…
「そーなのか?じゃそれまでここで飯でも食ってるから」
「え!大丈夫です!私1人で帰れますからっ」
「お前ここから遠いんだから危ないだろ。遠慮すんな」
そう言って半ば強引に決められてしまった。
「フフッ榎本さんもやるわね。先生と付き合ってるなんて」
先生がいなくなったあと、水原さんが耳元で笑いながら言った。
「付き合ってなんかないっ…」
「ムキになるところが余計怪しい〜。でも良かったわね、蒼空を忘れさせてくれる人ができて。私このことは学校には内緒にしててあげるから」
そう言って足取り軽やかにレジの方へと行ってしまった。