お前、可愛すぎてムカつく。
私の肩を掴んで自分の方へと抱き寄せた。
ちょ、ちょ、ちょ…
ナニコレ!!!
「き、桐谷くん!こんなことしてると周りに勘違いされちゃうよ!?」
「勘違い?」
「付き合ってると思われちゃうんじゃ…」
「ああ~…それはないね」
「え!?」
「だって、俺が地味女となんか付き合うはずないってみんなわかってるし」
あ~そうですか。
って…え?
じ、地味女って…私のこと!?
今のは聞き間違いなんかじゃない。
確実に地味女と言ったよね。
やっぱり時々毒吐いてたんだ。
「あ、電車きたよ」
桐谷くんは平然とした顔でそう言った。
20時過ぎの電車は帰路につくサラリーマンやOLで混みあっていた。
でもこのくらいのラッシュは慣れている。
私は無理やり乗り込んで、奥のドアの前になんとか辿り着いた。
「榎本さん大丈夫?」
「うん、なんとか…」