めんどくさがり系女子の恋愛事情
あ、でもまだ聞きたいことがあったんだった。
ガバッと顔をあげた私に驚いたのか桃は目を見開いている。
…そんな顔でもかわいいなんて、もはや罪では?
「参加するのは百歩譲るとして、なんでリレー?」
そうこれ。
参加するだけなら玉入れとかもっと楽なものがある。
なんで一番めんどくさいリレーをやらなきゃいけないのか、疑問に思っていたのだ。
「だって夏美、陸上部じゃん。」
「元、陸上部な。」
たしかに中学のときは陸上部に入っていた。
いろいろあって中2でやめたけど…。
「元でもなんでもいいの!
ほんとは走るの好きなくせに部活やめちゃって!
私、夏美が走ってるの見るのすごく好きだったのに!
だからこれも私のワガママ。
私が見たいから、夏美にはリレーに出てもらう。」
桃の言うように走るのは好きだけど、今走れていないことを悔やんではない。
私のためにしてるのなら、余計なことするなと言おうと思っていた。
でもこれは桃のワガママ。
「はぁ…。
じゃあ、4つも競技に出なきゃいけないのも?」
「私のワガママ。」
「…。」
「…。」