君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
唇を合わせたまま、私を下に敷こうと、身体を入れ替えてくる。

そうはいくか。

それを拒むと、私は新庄さんをあおむけにして、その上に身体を乗せた。
落ちてくる髪を耳にかけて、好き放題に、キスをする。

唇を離すと、驚いたような、まんざらでもないような顔と、視線がぶつかった。

もう一度キスをして、身体を離す。
大好きな人を、見おろす。

新庄さんは、面白がるような笑みを浮かべて私の腕をなでていたけれど、はっと気づいたらしく、急いで身体を起こそうとした。

予測済みだった私は、すかさずそれを抱きしめて、全体重をかける。

大人げなくも、新庄さんは本気で私を引きはがしにかかり、けれど体勢上、どうやったって私のほうが有利で。

私は、全力で抵抗する新庄さんを、力の入りにくい、うつぶせに近い姿勢で押さえつけると、その引きしまった身体を探る旅に出た。


「大塚!」
「ムードのない声、出さないでください」
「お前、覚えてろ…」


私は、ふふんと笑って、最高にいい気分で、彼を見おろす。


「残念ながら、私は」


すぐ、忘れてしまうらしいので。

新庄さんの悔しそうな顔は、十分すぎるくらい、私を満足させた。


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