麗しき星の花
芝生の上には、抱き枕か、というくらい大きな鉛色の塊が落ちていた。彼の周りを飛んでいる精霊たちはくすくすと笑っている。
魔力よりも剣気を纏いながら戦うシンにとって、繊細な召喚術は性に合わないのかもしれない。それでも、精霊の力をうまく使えれば物凄い武器になるし、細かい気配りが結果として剣技の技術向上にも繋がるはずだ。兄を強くしたいリィとしては、ここは踏ん張ってもらいたい。
「……うん。ちょっと、コツが必要なのかも。うまく説明できないけど……ただ力で押すだけじゃ駄目なの。精霊たちにちゃんと意思を伝えながら、魔力を微妙に調整して……あ」
「あ」
言っているうちに、シンが喚び出していた風と土の精霊が《魔力なくなったー》と言いながら消えてしまった。……気を逸らしたことで魔力供給が途絶えてしまったのだ。
「……みんなに同時に、魔力をあげるの」
「分かってんだけどー。同時にって、難しいなー」
まだ残ってくれていた火と水の精霊に手を伸ばし、「なあ?」と困った顔を見せる。精霊たちも同じように困ったような顔をして、落胆するシンを励ますように彼の手の甲を撫でてあげた。
「……銃弾じゃなくて、別のものなら、うまくいくかも?」
「別なものかぁ」
要は精霊たちの力をうまくコントロール出来るようにすればいいのだ。作るのはなにも銃弾でなくていい。好きなものならばもっと集中力が続くかもしれない。
「何がいいかな。……そうだ、願いを叶える竜珠とかどうだ!」
「うん……いいんじゃないかな」
シンが好きな漫画のキーアイテムならば、興味がある分イメージしやすくて良いかもしれないと、リィは頷いた。
「よし、シルフ、ノーム、戻ってきてくれ! 願いを叶えてくれるボール作るぞ!」
シンの目の前に碧色の召喚陣が浮かび上がり、先程消えてしまった風と土の精霊が再び喚び出された。
魔力よりも剣気を纏いながら戦うシンにとって、繊細な召喚術は性に合わないのかもしれない。それでも、精霊の力をうまく使えれば物凄い武器になるし、細かい気配りが結果として剣技の技術向上にも繋がるはずだ。兄を強くしたいリィとしては、ここは踏ん張ってもらいたい。
「……うん。ちょっと、コツが必要なのかも。うまく説明できないけど……ただ力で押すだけじゃ駄目なの。精霊たちにちゃんと意思を伝えながら、魔力を微妙に調整して……あ」
「あ」
言っているうちに、シンが喚び出していた風と土の精霊が《魔力なくなったー》と言いながら消えてしまった。……気を逸らしたことで魔力供給が途絶えてしまったのだ。
「……みんなに同時に、魔力をあげるの」
「分かってんだけどー。同時にって、難しいなー」
まだ残ってくれていた火と水の精霊に手を伸ばし、「なあ?」と困った顔を見せる。精霊たちも同じように困ったような顔をして、落胆するシンを励ますように彼の手の甲を撫でてあげた。
「……銃弾じゃなくて、別のものなら、うまくいくかも?」
「別なものかぁ」
要は精霊たちの力をうまくコントロール出来るようにすればいいのだ。作るのはなにも銃弾でなくていい。好きなものならばもっと集中力が続くかもしれない。
「何がいいかな。……そうだ、願いを叶える竜珠とかどうだ!」
「うん……いいんじゃないかな」
シンが好きな漫画のキーアイテムならば、興味がある分イメージしやすくて良いかもしれないと、リィは頷いた。
「よし、シルフ、ノーム、戻ってきてくれ! 願いを叶えてくれるボール作るぞ!」
シンの目の前に碧色の召喚陣が浮かび上がり、先程消えてしまった風と土の精霊が再び喚び出された。