いつか晴れた日に
それなのに……
黒崎くんはジッとわたしを見詰めると、心配そうに眉を下げた。

「安西さん、顔色が悪いけど、大丈夫?」

「だ、いじょう、ぶ……」
そう言った瞬間、立ちくらみで目の前が真っ暗になって、そのまま意識がプツリと途切れてしまった。


気が付くと、わたしはバス停のベンチに座っていた。

「あ……」

「お水飲む?」

小さく頷くと、黒崎くんは近くにコンビニに向かって歩いていった。
……また迷惑掛けちゃった。

服が汚れていないのは、きっと黒崎くんが抱き留めてくれたから。

優しくしないで。
このままだと、黒崎くんに甘えてしまいそうで怖いよ。


「はい」と黒崎くんから、差し出されたミネラルウォーターのペットボトルを受け取って、ゴクリと飲んだ。
身体の中に冷たいミネラルウォーターが流れると、少し気分が良くなった気がした。

「少しは楽になった?」

「うん。ありがとう」

「良かった」

ホッとしたように、黒崎くんは微笑む。

優しい笑顔。

その笑顔が涼と重なって胸が苦しくなる。

「ごめんね、なんだか、今日はいろいろと……」

「気にしてないよ。それより、動ける?タクシーで家まで送ろうか?」

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