いつか晴れた日に
声が掠れて言葉にならないわたしを亜紀は冷たい瞳のままで睨んでいる。

取り返しがつかなくなる前に、何か言わなくちゃ。

そう思うけれど……


「池永さんに別れたいって言われた」

「え?」

驚くわたしに、亜紀は薄ら笑いを浮かべる。


「わたしと別れて、怜奈と付き合いたいって」

「そんな……」

どうして、池永さんは亜紀にそんなことを言うの?もしかして、わたしに対する嫌がらせ?

「わたしと池永さんはそんなんじゃない」

亜紀はそれには何も答えずに、わたしを睨んでいる。


その瞳を見て、もう無理なんだと覚った。亜紀とは友達だったけれど、きっと前のような関係には戻れない。

亜紀を傷つけたくなくて、黙っていたけれど隠す必要もないのかもしれない。
どうせ池永さんは本当のことを亜紀に話すつもりはないんだろうし、わたしが亜紀に何を言ったところで信じてもらえないと思うけれど。

「確かに、池永さんに亜紀と別れるように言ったよ。でも、それは、結婚するまでの遊びだって言ってるのを聞いたからなんだよ。池永さん、笑ってた。遊ぶなら今しかないって。だから……」

「……遊び?」

動揺を見せる亜紀に、はっきりと頷いて見せた。

真実が全て正しいと思わないし、知る必要もないと思う。

だけど、どうしても嘘を突き通す池永さんが赦せなかった。
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