いつか晴れた日に
「なんだか、わかんないんだけど、スゴイ懐かしい感じがした」

「え?」

それは、どういうこと?

隣を歩く黒崎くんの横顔をジッと見詰めるけど、黒崎くんはそれきり黙ってしまった。


お互い黙ったまま、バス停まで歩いた。

何も言わない黒崎くんをこっそり盗み見る。
いつもは穏やかな雰囲気なのに、池永さんから助けてくれたときは、男らしくてカッコ良かったな。

それに、一瞬、涼かと思ってしまった。

そんなはずないのに……。


「なに?」

わたしの視線に気付いた黒崎くんがチラリとわたしを見る。

「あっ、えっと。お礼まだ言ってなかったなと思って。黒崎くん、助けてくれて本当にありがとう」

黒崎くんが来てくれなかったらと思うとゾッとする。

頭をペコリと下げると、「本当、気付いてよかったよ。靴が転がってたから何事かと思って見に行ったら、あんなことになってて」

しかし、アイツムカつくよなと黒崎くんが唇を尖らせる。

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