いつか晴れた日に

「安西さん?」

「あ、えっと、わたしもビールにします」

ドキドキを誤魔化すように、メニューを閉じておしぼりで手を拭いた。
カウンターで良かった。テーブルだときっと顔を直視出来ないと思うから。

「一番人気はね、ほろほろ鳥ときのこのソテーなんだ。食べてみる?」

「はい。後は何がおススメですか?」

「焼き鳥セットとか。これはね、びっくりすると思うよ」

「じゃ、それも」

「了解」

オーダーを池永さんに任せて、生ビールで乾杯する。
いつものクセでゴクリと喉を鳴らせば、池永さんに聞こえてしまったみたいで。

「安西さんって、意外と気さくなんだね」と笑われてしまった。

それから、ビールをおかわりして、お腹も落ち着いてきた頃だった。
なんとなく会話が途切れて、沈黙が訪れた。

気まずさは無いけれど、手持ち無沙汰になってビールに手を伸ばす。

今日は調子に乗って、飲み過ぎないようにしなきゃ。
この前、二日酔いしたばかりだし……
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