いつか晴れた日に
 
あぁ、もうダメ。

そのスプーンをパクリと頬張ると、忽ち濃厚なチーズとホワイトソースが口の中一杯に広がった。
あ、美味しい、かも。いや、すっごく美味しい。

そして、なんだか懐かしい味がした。


「どう?」

「……うん。美味しい」

「じゃ、食べてくれる?」

「……うん」

そう言うと、この男は本当に嬉しそうに微笑んだ。


「ご、ご馳走様でした」

美味しさのあまり、完食してしまった。
バツが悪くて俯くわたしを気にする素振りもなく、空になった食器を流しに運ぶストーカー。

片付けぐらい手伝った方がいいのかな?

そう思っていると「いいよ、怜奈ちゃんは座ってて」
立ち上がろうとしたわたしを制して、テキパキと片付けを始めた。


「……ありがとう」

ボソッと呟くように言った言葉が、この男に聞こえたかどうかわからない。

ただ、鼻歌を唄いながら、泡だらけのスポンジで食器を洗っている様子は、傍から見ていても楽しそうで。
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