いつか晴れた日に
「起こしちゃって、ごめん」

「ううん。遅かったけど、怜奈ちゃんご飯は?」

「ごめんね。食べてきちゃった」

「……そうなんだ」

涼の表情が曇る。
無理も無い。わたしの帰りを夕飯の支度をして、何時間も待っていたんだもの。

「急に会社の人とご飯に行くことになって。涼に連絡しようと思ったんだけど、携帯の番号とか知らないし、連絡できなくて……」

うしろめたくて、早口になってしまう。

「……うん」

「あの、これ」
買ってきたドーナツを差し出すと、涼は「なに?」と小首を傾げた。

「ドーナツ、買って来たの。明日、一緒に食べよう」

「……要らない」

拗ねたのか、涼はプイっとそっぽを向いてしまった。


涼は立ち上がると、テーブルの上の料理を冷蔵庫に片付け始めた。
わたしも手伝おうと、お皿を手に持ってキッチンに向かったけれど、涼はわたしをチラリとも見てくれない。

「先に着替えてくれば?」

「……怒ったの?」

「別に」

いつになく素っ気無い涼の態度に、どうしていいのかわからなくなる。

「……涼」

「なに?」

「ごめんね」

涼は冷蔵庫のドアを閉めると、小さく溜め息を吐いて、わたしの方に向き直った。
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