いつか晴れた日に

「怜奈ちゃん」

涼は、困ったように目を伏せる。

「ちゃんとわたしが理解出来るように説明してよ?魔法が使えるって、結局それは徹底的にわたしのことを調べ上げているだけなんでしょ?
涼の目的は、なに?この際だから、はっきり言ってよ!」

アルコールの所為で昂ぶった気持ちを抑えることが出来なかった。
感情のままに声を荒げるわたしを涼は黙って見詰めている。

「何とか言いなさいよ」

「……俺は、ただ」

「なに?」

「怜奈ちゃんに幸せになってもらいたいだけだよ」

「……幸せなんて、人それぞれでしょ?」

例えば誰かを傷つけてしまうとしても、その上で成り立つ幸せだってあるはずだ。


「本気で、そう思ってる?」

涼の優しい瞳に見詰められたら、何も言えなくなってしまった。


わかってる。
本当は自分だって、そんなことを望んでないって。

母さんが家を出て行ったとき、父さんがどれ程傷ついたか間近で見ていたから。

ただ、池永さんといるとドキドキして、楽しくて。

好きになりかけていた。それだけだから……。

「お風呂、入ってくる」

バスルームに逃げ込んで、頭から熱いシャワーを浴びる。
感情的になって、涼に酷いことを言ってしまった。

涼との時間は、あと少しなのに。





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