いつか晴れた日に

「うーん。どれにしようかな。わたし、バニラにするから、涼は別のにして?」

「じゃ、俺はベルギーチョコにする」

二人で仲良くベンチに座りアイスを食べて、冗談を言いながら笑いあった。

不思議だった。涼に手を握られてもイヤじゃない。
寧ろ、ずっとそうしていたい。そんなふうに感じるなんて。

「次は、あっちのコスモス畑を見に行こうよ」

「うん」

「その後に、お弁当食べようか?」

「そうだね」

いつもより饒舌で、せっかちに動き回る涼。
そして、何だかんだ理由をつけて、わたしの手を離さない。

そんな涼に違和感を覚えていた。


お弁当を食べた後、バドミントンで遊んでいたら、あっと言う間に息が上がって動けなくなってしまった。

「ち、ちょっと、待って」
涼は肩で息をするわたしを見て、ケラケラと笑っている。

「怜奈ちゃん、運動不足じゃない?」

「……ぅ」

確かに運動らしいことは、何一つしてないけど、こんなに直ぐに疲れるなんて、思ってもみなかった。


「大丈夫?」

「少し休めば、平気だって」

涼はわたしの手を取って立たせると、日陰になっているベンチまで引っ張って行く。

「飲み物買って来るね。怜奈ちゃんはここで休んでて」

「……涼、待って」

「ん、なに?」

振り向いた涼の笑顔が眩しくて言葉を失くしてしまう。



< 68 / 159 >

この作品をシェア

pagetop