いつか晴れた日に

「で、本当に大丈夫だったの?」

「うん、大丈夫だと思う。一応、家の中を調べてみたけど、特に何も可笑しなものはなかったし……」

あの後、隠しカメラとか盗聴器があるんじゃないかと心配になって調べてみたけれど。
それらしきものは見つけることが出来なかった。

「怜奈の夢だったりして?」

わたしもそうだったらいいなと思ったよ。

だけど

手元に残った買った覚えの無いミネラルウォーターのペットボトルをどう説明すればいいのだろう。
間違いなく『チビタ』と名乗ったあの男は、わたしの部屋にいたんだ。

確かにね、言われてみれば犬っぽい顔だったし。真っ黒なちょっと硬そうな髪の毛もチビタっぽい。

でも、わたしが知っているチビタはまだ子供だった。大人になったら、あんな感じになるのかぁ。

なんて。

そんな有り得ないことを考えている自分に苦笑した。

「夕方からの会議、憂鬱だね」
亜紀が豆乳のパックにストローを指しながら、小さく溜め息を吐く。

「そうだね」

亜紀が言っているのは会議そのものではなくて。わたし達アシスタントがフロアに取り残されることだ。
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