いつか晴れた日に
 
わたし達が所属している営業一課にはお局さまがいる。
そのお局様の佐藤美香さんが、一回り年下のわたし達に何故か意地悪なのだ。

会議で営業及び男性社員が席を外していなくなると、何かにつけてネチネチと小言を言ってみたり、仕事の邪魔をしたり。

その所為か、この部署の派遣社員は長くは続かないみたい。
わたしも亜紀がいなかったら、辞めたくなっていたかもしれない。

「噂で聞いたんだけど、美香さんって何年か前に、社内恋愛中だった彼氏を年下の派遣社員に盗られたことがあるんだって」

「えー本当に?だから、わたし達に意地悪なの?」

「うーん。そうじゃないの?」

「気持ちはわからないでもないけど、それって……」

ピッピッ、ピッピッ。
亜紀がセットしている携帯のアラームが鳴る。

お昼休みもあと五分で終わりだ。


カタカタカタとパソコンのキーボードを叩く音だけが響いている。
夕方六時以降は、留守番電話に切り替わる仕組みだ。

営業は会議の真っ最中。わたしたちは日頃の溜まった雑務をこなしながら、会議が終わるのを待っている。
用事がなければ残業は大歓迎。残業手当が貰えるからだ。

亜紀は用事があるとかで、定時で帰ってしまって、今わたしは美香さんと二人きり。
そんな訳で、特に会話もなく、二人とも黙々とデータ入力をしている。
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