いつか晴れた日に
それから、30分後

奥の会議室から、ガタガタと一斉に人が動き出す音が聞こえてくると、営業がなだれ込む様に事務所に戻ってきた。

漸く会議も終わったみたい。
給湯室からダスターとトレイを持って会議室へ向かう。

後片付けをして、きりのいいところまでデータを入力すれば、今日のわたしの仕事は終わり。

誰もいないと思っていた会議室に入ると、置きっ放しになっているカップやスティックシュガーを一つにまとめている営業の池永さんの姿が目に飛び込んできた。


「安西さん、片付けに来てくれたの?」

振り向いた池永さんにドキリとする。

営業の中では中堅の位置にいる彼。
後輩の男性社員もいるのに人に押し付けることもなく、自分から進んで雑用を買って出るような優しい人だ。


「後は、わたしが片付けます」

「助かるよ。タバコが吸いたかったんだ」

池永さんは、人懐っこい笑顔をわたしに向けた。

喫煙室は一箇所のみ。
今行くと、会議が終わった営業の人達で、すし詰め状態だろうな。

あの気難しい部長も一緒になってタバコを吸っているのかと思うと、なんだか可笑しくなって、クククと声を出して笑ってしまった。



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