Ri.Night Ⅲ

「嘘、だ……」


そう思いたくても、貴兄の言葉はそう思わざるを得ない言葉ばかりで。


なんで……?

どうして……?


もう、その言葉しか浮かんで来ない。



“奴等の羽根をもぎ取る”



この言葉が指し示すものが何かなんて、考えなくても直ぐに分かった。


それはきっと、鳳皇のこと。


貴兄の言う“羽根”は鳳凰の翼を指していて、貴兄は何故鳳皇を潰そうとしている。



そして、二つめの言葉の意味。



“凛音から離れなかった事を死ぬほど後悔させてやる”



貴兄は知ってたんだ。


あたしが鳳皇と関わっていた事を。


なんで、知っていたのだろう?


まさか、見てた?


ううん。そんな筈ない。


鳳皇と逢ったのはほぼ偶然に近かったのだから。


陽が獅鷹に来る事なんて予測出来る筈がない。


ましてやあたしが飛び出して行くなんて思いもしないと思う。


じゃあ、何故あたしと鳳皇が関わったことを知ってたの?



考えられる理由は一つしかない。


何処からか情報が入ったんだ。


貴兄はどんな小さな情報でも見逃しはしない。


もし、陽が獅鷹に来たあの日。


駅裏の公園で陽が喧嘩した奴等が陽を探る為に情報を漏らしたとしたら?


その可能性はある。


陽が来た日付。陽の特徴。


それらを照合した時、その男達が探しているのは陽だと貴兄なら直ぐに気付く筈。


そしてその時間、あたしは倉庫から消えていた。


あの時、慎と透が『凛音がいない』と貴兄に連絡していたとすれば、貴兄が気付いてもおかしくはない。


鳳皇と関わっていた事が貴兄に知られた理由はその筋で考えるのが妥当だろう。


もしかして、貴兄が最近忙しく動き回っていたのは鳳皇を潰す為?


今日、突然引っ越しの手伝いを断ったのもその為?

< 353 / 368 >

この作品をシェア

pagetop