Ri.Night Ⅲ
──そう。
貴兄は昨日、突然引っ越しの手伝いに行けないと言ってきた。
急な用事が入ったからって。
まさかそれが鳳皇を潰しに行く事なんて思ってもいなかった。
どうしてこんな事になってしまったんだろう?
十夜は……鳳皇は、獅鷹と和解しようとしてくれているのに。
なんで………。
──コンコン。
「……っ、」
ドア越しに響いたノックの音にビクッと身体が揺れる。
「オイ凛音!お前貴兄呼びに行けって言っただろうが!無視してんじゃねぇよ!」
ドア越しに聞こえてきたの、怒気を孕んだ優音の声。
……なんだ、優音か。
思っていた声と違い、ホッと安堵の溜め息を洩らす。
「凛音!拗ねてねぇで早く降りて来い!お前の分食っちまうぞ!」
「い、今着替えてるから着替え終わったら行くよ!」
「……ったく、早く来いよ」
そう言った優音は、ブツブツ文句を言いながら先に下りて行った。
……はぁ。焦った。
貴兄だったらどうしようかと思った。
……っていうか、どうしよう。貴兄の目論みを知ってしまった以上、どんな顔をして貴兄に会えばいいのか分からない。
ううん、貴兄だけじゃない。優音もだ。
優音も獅鷹の幹部。
この事は知ってる筈。