鏡花水月◌˳⚛˚


とうとう耳がおかしくなったのかとさえ思った。こいつが、この今村紺が、私と同じ修央館に行くつもりなのか。

「無理…でしょ。判定は?」

きっと、D判定だ。こいつは高望みしすぎている。さっさと諦めてしまえ。

「Bだけど。75%だった。」

有り得ない。このバカが、B判定…。この時期にB判定を出してしまえばきっと、もう下がらない。最悪だ。この性悪男と同じ高校に行かなければならないのか。そう思うとお先真っ暗で、頭が可笑しくなりそうだった。ふざけないでくれ、コイツと同じ高校なんて。バカにされることの無い高校生活を望んでいたのに。

「明らかに嫌そうな顔すんなって。そんなに俺と一緒が嫌か?」

「当たり前。どうせ、高校生になっても『遠藤千里は中等部に落ちた奴』みたいな噂ばっかり流すんでしょ。」
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