鏡花水月◌˳⚛˚
そんなことを思い出しながら、開始の合図と共に問題用紙を捲った。分かる、分かる、分かる…。6年生の時とは違う。問題を見るだけで答えが頭の中に出てくる。いける。入る。絶対に合格する…。

20分後、問題を解き終えた。数学はケアレスミスが心配なので、たっぷりと余った時間で見直しと解きなおしを何度も行った。

「終了」

シャープペンシルをカタン、あるいはバン、と乱雑に置く音が聞こえる。何故か回収されている時に限ってミスがある気がしてくるのは誰でも同じなのか、ソワソワした空気を感じる。受かっていますように──。

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“568”


張り出された合格者番号。そこに載っている私の名前。

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