sinner
「申し訳ありませんっ」
「っ、……ええっ? ちょっ、なんでっ!?」
花屋さんの従業員はしきりに謝り、わたしの手を引き寄せ強引に店内に誘導する。
「安心してください、今はぼくだけなんで。乾くまで休んでください」
「っ、ちょっと待って!」
色々突然過ぎて、気持ちがついていけない。
「なんなら、ぼくから新しい靴をプレゼントさせてもらっても?」
「……わざと、水かけましたか?」
「幸いに、連れ込みやすいかったから? ――違うね。ぼくは誰かいてももう怯まない」
「だって」
「だってって、何?」
言葉が続かなかった。
「ここでずっと働いてたよ。気づかなかった君がいけない」