sinner

 
「ずっとや絶対、っていう言葉が、不変で磐石じゃないときも、辛いけどどうしてもあってしまう。君がそれに怯えているのも理解してる」


けど、あんな表情を見せるくらいならもういっそ。


「けど、君を一年前みたいな悲しみに陥らせないことは絶対に誓う。好きです。これからのぼくは全部君に捧げたい」


ぼくは、もう少し自惚れてしまっても構わないだろうか。


「どうかお願いだから、ぼくをもう少し、受け入れてくれないかな? もっと欲しがってほしいよ――君が、それを本当は望んでくれてるのなら」


出来れば、最後の砦は彼女から壊しに来てほしかった。本当にいつまでだって待つつもりでいたしそれを証明したかった。
けれどああ……ぼくはなんて馬鹿なのか。やっぱり我慢なんて出来やしない。


誕生日に会いたいと言う男を拒まなかった。ぼくの腕に絡みつく自分以外のその腕に、明らかに彼女は嫉妬した。そして、その感情を押し込めようとした。自分は、それを言える立場ではないと引いた? 自分が、そんなずるい状況を作り出しているのにとか思ったのか。
本当にずるいよ。そうやって君は怯えながら、けれど手放せないんだ。ぼくに触れる自分以外に許せなくなるなら、もう、受け入れてくれないだろうか。


彼女の一番、誰よりも傍にいられる権利が欲しい。


ぼくから贈る二つめの、押し付けられたプレゼントに固まったままの彼女に、自惚れた心が少し萎んでしまう。沈黙に耐えきれず、逸らさなかった視線を不安定に揺らしてしまうと、花束の向こうの彼女から吐息がこぼれる音がした。





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