呪われた双子
はじまり
エルスパインという、小さな美しい島には、50年に1度魔王バルクがやって来て、島の子供たちをさらっていく。

そして50年がたち、バルクがまたやってきた時は、さらわれた子供たちは殺されているという。

ある日のことだった。

僕たちパーシス・エリスとルース・エリスは双子の兄妹として生まれた。

みんなが楽しく穏やかに暮らしていた。その時だ。

魔王バルクがやって来た。

「やぁ、エルスパインの皆さん。」

みんなざわめいた。

子供を隠す前にバルクがやってきたからだ。

「さぁ、子供をわたしてもらいましょうか。」

バルクがそう言って僕たちを抱き上げた時、僕の両親はこう言ったそうだ。

「バルク様、その子たちはまだ赤ん坊で何もできません。バルク様がお連れになられても、育てなければ働くことができません。どうか、赤ん坊だけでも見逃してください。」

「よかろう。しかし何もしないで見逃すほど、私は甘くはない。」

と言って、バルクは僕たちを元の場所に寝かし、両手を僕たちにかざした。

「今、この時から20年が過ぎる前に、私の住む地ディゴスバルクに来なければ、この赤ん坊たちは死ぬだろう。この呪いをときたければ、20時以内に私の所にきて死ぬまで働くか、私を殺すしかない。今後のエルスパインの平和を望むなら、彼ら自身が私を殺す他にない。」

バルクは僕たちに呪いをかけたのだ。

両親は泣いて悲しんだ。

僕らが生きるためには、20時以内に僕ら二人がバルクを殺すしかないのだから…。

この呪いをかけた後、気づいたらバルクは他の子供たちを連れていなくなっていたそうだ。
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