PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
「何にしても、寧々ちゃんたち、また不良とか暴走族とかに関わるの?」
「だって、入ってたほうが安全だもん」
寧々ちゃんたちは少し前まで別のグループに所属していた。
ケンカで停学処分になったことがあるし、髪型や服装の乱れは毎日のこと。
窃盗やクスリみたいな、本格的な犯罪は何もしなかったみたいだけれど。
尾張くんが説明した。
「おれらの前のとこ、幹部が警察にパクられてさ。そのまま自然解体。おれら、野良になろうと思ってたんだけど、隣町の連中が調子乗ってんだよ。
バラけたメンバー、片っ端から狩られてんの。で、瑪都流に保護してもらえたほうが助かるわけ」
寧々ちゃんが口を尖らせて息をついた。
「お嬢も気を付けて。あたしらと一緒にいるでしょ? 隣町のやつら、そのこと知ってるかもしれない。
あいつらも暴走族を名乗ってて、バイクも使うから機動力があって、狙われたらヤバいよ。学校帰りも一人にならないようにして。巻き込んでごめんね」