クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
次の日、俺はボスの指示通りに青星に入った。
ただただ自分を偽って、俺なんかを仲間だと言ってくれる奴らを騙し続けた。
最初は、俺が自主的にボスに情報を流してた。
流す度にどんどん何かが崩れていくような気がしていたが、そんなのは気にせずに。
……ここは俺には眩しすぎるくらいだった。
必要とされたことのない俺が、ここでは幹部?
俺はこいつらを裏切ってるのに?
……もう、気づいた時には遅かったんだ。
「もう嫌だ!俺はもうスパイなんかやりたくない!!」
俺がそう言ったって、ボスは余裕を保ったまま。
俺は駒にすぎないから。
「誰がお前をそこに入れてやったと思ってる。
お前に拒否権などある訳がないだろう?
お前は俺に従っていればいい、お前は俺の道具なのだから。
それでも逆らうというなら、俺は青星を潰そうじゃないか。」
「そんなの…っ!」
「それが嫌なら続ければいいだけだろう?」
…そう脅され、俺はやめるなんて言えなかった。
こんな俺が、ここを潰していいはずがない!
………だから俺は、そのままスパイを続けた。