怖い短編集
私は、あてもないままに

恵梨奈を探すため、

家を飛び出した。






私は嫌な胸騒ぎがして、

足早に北の方へと歩いていた。






こんな時間まで恵梨奈が

帰ってこないなんて、

やっぱり何かがおかしい。






恵梨奈は、

何かの事件に巻き込まれて

しまったのだろうか?






私は、恵梨奈が私に話していた

言葉の中から、

何か恵梨奈の居場所の

手がかりがないかと思い、

足早に歩きながら、

自分の記憶をさかのぼった。






〈 ここから歩いて

10分くらいのところに

住んでいるみたいよ 〉






私の頭の中で、

恵梨奈が私に言った言葉が、

聞こえてきたような気がした。






恵梨奈が会いにいった友だちは、

私の実家から10分くらいの

ところに住んでいる。




そう私に言った恵梨奈の言葉が、

私の頭の中で蘇った。






〈 歩いて10分ということは、

私の実家から、

半径1キロくらいの場所に、

その子の家はあるのかしら? 〉






私がそんなことを思っていると、

暗く沈んだ空から

ポツリポツリと雨が降ってきて、

私のシャツは、

じっとりと濡れ出した。






〈 早くしないと、恵梨奈が…… 〉






私はそう思って、

歩くスピードを上げた。
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