怖い短編集
私が懸命に走り続け、

海水浴場に着くと

激しい雨が降りしきる

人気のない場所に

かすかに小さな人影が見えた。






〈 恵梨奈! 〉






私は遠くにいて、

かすかにしか見えない

その人影が、

恵梨奈であると確信した。






そして、恵梨奈のとなりに

寄り添うようにして立っている

もう1つの人影は、

きっと北村未来ちゃんに

違いなかった。






恵梨奈と未来ちゃんの人影は、

少しずつ海の方へと

近づいている。






私は、自分の心臓がドキドキと

大きな音を立てるのを

感じながら、

恵梨奈の方へ全力で走り出した。






海に行ってはいけない!






私は大切な娘の恵梨奈を

未来ちゃんの悪霊から

引き離さなくてはならなかった。
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