怖い短編集
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〈 陽子ちゃん、

陽子ちゃん…… 〉






誰かが私を呼ぶ声がして、

私はそっと目を開けた。




〈 陽子ちゃん、

久しぶりに会えたわね。




私、ずっと陽子ちゃんに

会いたかったの。




私はずっと、冷たい海の底で、

陽子ちゃんを待っていたの。




陽子ちゃん、私と遊ぼう。




昔みたいに、二人で仲良く 〉






私が目を向けたその先に、

未来ちゃんは立っていた。






昔と変わらない

優しい笑顔を浮かべながら。






私は未来ちゃんの

その優しい笑顔を見て、

胸が張り裂けそうな

気持ちになった。






未来ちゃんの将来を

ダメにしてしまったのは、

この私だったから。






私は悲しくて、

ひとりでに流れ落ちていく涙を

止めることはできなかった。
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