王子な秘書とシンデレラな御曹司
「仕事終わりにまっすぐ出かけます。雅さんも着替えるなら着替えを持って来て下さい」
「はい?」
「そのままで行くなら別にいいです」
「いやなんで?私は関係な……」
「雅さんも同伴の指示がでてます。あちらも華子様と清香さんの2人ですから」
「それは違うでしょう」
思わず大きな声が出てしまう。
なんで私が付いて行くの?
驚く私に副社長は
「僕のお見合いを成功させたいのでしょう。婚約させて後継者にしたいのでしょう」冷静な声を出して私を見つめた。
顔色が読めない。
でも珍しく迫力がある。
NOとは言えない雰囲気だ。
でも秘書同伴のデートって……どーよ!
「雅さん『協力する』って言ってましたよね。自分の言葉に責任とって下さい」
そう言われると反論できない。
「社長室に呼ばれてるので行ってきます。そのまま出るので遅くなります。雅さんは定時になったら帰って下さい。今日もお疲れさまでした。また明日よろしくお願いします」
事務的に副社長は私に言い
ビジネスバッグに書類を乱暴に入れてからコートを持ち、さっさと部屋を出て行ってしまった。
扉の閉まる音が大きく響く。
あの……態度の悪さ……何?
ひとり残された部屋の中
心が寒くて寂しくなった私だった。