王子な秘書とシンデレラな御曹司
「雅さん。綺麗ですよ」
副社長は目を丸くする。
「いや……そんな事ないです」
見つめられると恥ずかしくなる。
私は意味なくバタバタと自分のスカートを叩くしかない。
「出かけましょうか」
明るい声を出し
私の前にやってきてそっと腕を差し出す。
「からかわないで下さい」
腕なんて組めないでしょ。何を考えてるのだ。
「すいません。雅さんがあまりにも可愛いので」
「いつもと違って?」
「そうです」
素直すぎるなコイツ。
ふたり並んでエレベーターに向かうと、市橋理香と遭遇。
らしくない姿にかなり驚かれ
逃げるようにエレベーターに乗り込んだ。
嫌味を言われる前に逃げよう。
外に出て駐車場に向かう私達。
まさかチャリじゃないよね。
一瞬ゾッとするけれど
副社長は車のキーを出し
白のマジェスタを指差した。高級車持ってるんだ。
「どうぞ」とエスコートされ助手席に乗り込む。
本革のシートに包まれ幸せ気分。
祖母の家のマッサージチェアより心地良い。
流れるようなしなやかな走り
運転する副社長の横顔はとても凛々しくて
あぁ惚れた弱み。
本当に好きになってるし私。
これはヤバい展開だ。
車という密室から早く脱出したい。