王子な秘書とシンデレラな御曹司

華子様が立ち上がり
副社長がイスを引いてエスコート。

私も清香さんも席を立ち
今日のデートはお開きとなる。

遠慮する私を残りの三人が引き止めて
四人で副社長の車に乗る。

後部座席に慣れてる華子様が後ろに乗ってしまい
清香さんがその隣だから
やっぱり助手席な私。
本当はただの総務の女なのに
嬉しいような申し訳ないような気分。

30分ほど車を移動させると
小さな公園に入った?ってぐらいの緑の樹に囲まれた敷地に到着。
門を開けてもらい
そこからまた車で進み
到着したのは大豪邸。
小さなホテルぐらいあるかも。
さすが財閥。

副社長と私は車から降り
副社長はおふたりを玄関ホールまで見送ってご挨拶をしてから、また車に乗り込んで大きな息を吐く。

「お疲れさまでした。どうでした?」
興味深々で私が聞くと

「どうって言われても」
副社長はネクタイを緩めてハンドルを握り「雅さんの家まで送りますね」ってナビを確認。

「私は近くの駅でいいですよ。それより……」

「女の子がひとり危ないでしょう」

本気で怒られてしまった。

怒りのツボがわからない。

「それよりデートはどうでした?華子様はどうでした?楽しんでくれました?」

「どうでしょうね。僕は華子様じゃないのでわかりません」

「副社長はどうでした?楽しかったですか?」

「管弦楽は最高でした。食事も美味しかった」

「いや、そこじゃなくて」

「雅さんしつこい」
小声でポソッと言われてしまい
私のテンションが上がる。

「しつこいって何ですか?私は心配してるんです」
ムキになって言うと

「心配する必要はありません。雅さんの希望通り婚約まで頑張るので安心して下さい。雅さんは高岡さんとのクリスマスだけ考えてればいいんですよ」

売り言葉に買い言葉。
狭い密室で互いにイラっと攻撃する私達。

< 109 / 245 >

この作品をシェア

pagetop