王子な秘書とシンデレラな御曹司
狭い……この部屋に大人が6人。
人口密度が高すぎる。
市橋理香はツンとした顔で部屋に入り
華子様の顔を見て頭を少し下げてから、清香さんの顔を見て顔を引きつらせていた。
彼女の心の声を代弁するならば
『ちょっと何よこの子。どうして私より可愛いの?意味わかんない!』
だろう。ザマミロ。
「この部屋は華子様には似合いませんね。私の広いオフィスでお話しませんか?」
弟である俺様副社長は私達を無視し
堂々と華子様に問いかけてきた。
おいっ!
それはないだろう!
「華子様はうちの副社長に会いにいらしたのです。勝手に部屋に入らないで下さい」
負けるもんか。
俺様副社長と市橋理香をにらんで私が言うけど、完璧スルー。
「兄と話をしても退屈でしょう。さぁ華子様」
「夜は敏明様とディナークルーズはいかがでしょうか?」
などと
俺様副社長と市橋理香は華子様の傍で、ご機嫌を取りながら一生懸命。
客観的に見て
うちの副社長と俺様副社長を比べると
子ネコとライオンの差があるわ。
内面とマニアックさなら誰にも負けないんだけれど
堂々とした貫禄がうちには欠けてる。
今後の課題。
ここで華子様もあっちに行ってしまうのではないか……急に不安が押し寄せたけど
「お前に興味はない。私が求めるのは啓司だけだ」
華子様は表情も変えずそう言った。