王子な秘書とシンデレラな御曹司

華子様……私が惚れそうだ。
ありがたくて涙が出るわ。

「お帰り下さい」
私はお邪魔な二人組を部屋から追い出すと、冷や汗タラリ状態。
嫌な顔で出て行ったな。
後からの反撃に注意しよう。

「啓司」

「はい」

「コーヒーが冷めた」

華子様は何事もなかったように副社長に指示し、私達はホッと一息。

華子様
副社長を好きなのかな。

求めるのは副社長だけなのか。

そんなセリフは華子様にしか似合わないね
私には言えないセリフだろう。
私はただの総務の女で臨時秘書なのだから……。

「雅さんの分も入れますね」

私の気持ちを知らないで
副社長は優しい声で私にそう言ってくれた。

名前を呼んでもらえて
コーヒーも入れてもらう
贅沢なありがたい身分でしょう私も。

「はい」と元気に返事をした私だけど
その様子を、清香さんと華子様はジッと見つめて
さりげなく
ふたりで目配せをする。

何の目配せなんだろう。

私が……邪魔なのかな。

心がチクッと痛んでしまう。

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