王子な秘書とシンデレラな御曹司

運転手の佐々木さんは私に行先を教えてくれず
20分ほど進んで大きなホテルに到着する。

あれ?この立派なホテルって
訳がわからないまま車から降りると、小柄な女性が息を切らして走ってきた。

「雅さん」

「清香さん?」
清香さん。どうしてここに?

「啓司様からお話は伺っております。さぁ時間がありません」
その可愛らしい顔とは裏腹に、力強く私の腕をしっかりつかむ。

「時間がないとは?」

「女性は大変なんですよ」

清香さんは楽しそうにグイグイと突き進み、私をエレベーターに閉じ込めた。
会話が通じてないんですけど。

「清香さん。ちょっと意味が」

「本当はエステから始めたいのですが残念です」
興奮気味に清香さんが言う。

だから会話が通じてないって。

「到着しました」

「清香さん?」

清香さんはまた私を捕獲し
エレベーターから降りてホテル内にあるサロンへ到着。

広く綺麗なベージュを基調としたサロンで、エステシャン風のお姉さん達が5人揃い「お待ちしてました」と私に挨拶して、詰め寄って来て、あれよあれよで奥の部屋に通されて身ぐるみはがされた。

「いやちょっと待って下さい。これって!」
必死で逃げようとすると

「これから雅さんは啓司様と忘年会です。その服装では行けません。ドレスとバッグと靴は華子様からのプレゼントです。完璧なレディにして啓司様との忘年会に備えるよう。華子様の命令です」

華子様?
完璧なレディ?
いや無理でしょう。この男前の私が。
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