王子な秘書とシンデレラな御曹司
クリスマスおめでとう……ではなくて
忘年会でお疲れさまでした……の乾杯。
前菜から始まり
次から次へと運ばれる料理は彩りも美しく味も最高だった。
幸せそうに食べる私を副社長は優しく見つめて
会話も楽しく夢のような時間。
「これをどうぞ」
ラストのコーヒーと共にシルバーのワゴンで運ばれてきたのは、真っ赤なラッピングに緑の細いリボン。
「クリスマスプレゼントでしょうか?」
突然の贈り物に驚きながら副社長に聞くと
「お歳暮です」
真面目な顔で言われてしまった。
どんだけクリスマスにトラウマあるんだ。
「開けていいですか?」
ドキドキしながら丁寧に細長い紙を広げると
ブランドの箱から
ピンクの手袋が現れた。
カシミヤの手触りがよい手袋で
表側がピンクで裏がブラウン
フカフカなファーが付いていて可愛らしい。
ふと健からもらった革の手袋を思い出す。
シャープでスタイリッシュな黒の手袋と対照的な手袋。
高そう。
「いつもお世話になってるので」
小さな声でボソッと恥ずかしそうに言う副社長。
「そんな……あ、こんな可愛らしいプレゼントもらったの初めてです。嬉しい。ありがとうございます」
一生懸命お礼を言うと
副社長は急に「踊りましょうか?」そう言って立ち上がり、私の横で手を差し伸べる。
踊る?
ふと周りを見るとピアノ演奏に合わせ、優雅な仕草で何組か楽しそうに踊っていた。
いや……無理
今夜はハードル高すぎる。
「大丈夫。ただ揺れてるだけですから」
簡単に副社長は私の手を取り
ほぼ強制的にフロアの端っこに連れ出した。