王子な秘書とシンデレラな御曹司
私は照れてしまい
目線を副社長のネクタイに合わせて早口で話し出す。
「『雅王子』って呼ばれてます」
「王子?」
「はい。男前キャラですから。女子としては背も高いし、困っている先輩や後輩を助けてセクハラ上司に意見するキャラです」
自虐的だなぁ。恥ずかしい。
でも健も前にそんな感じで言ってたし。
そーゆー目で見られてるんだよね。
「ふわふわしたピンクは縁がなくて似合わないし、雅王子は男子社員よりも男らし……」
「どうして?」
副社長は動きを止めて私の言葉を遮断する。
「どうして……って?」
背中に添えられた副社長の手に力が入り、私はその胸の中にすっぽり入って抱かれる形となる。
「どうして王子なんです?」
長い指が私の頬に重なり首筋に流れる。
「こんな可愛い女の子が、どうして王子なんです?」
魔法にかけられたように
澄んだその目に捕えられる。
「雅さんは王子じゃなくて姫でしょう」
ゆっくりゆっくり
副社長の顔が近寄ってきて
「どこから見てもお姫様です」
その吐息がかかり
「可愛らしいお姫様」
彼の香りに包まれて
「僕だけの大切なお姫様」
柔らかい唇がそっと重なる。