王子な秘書とシンデレラな御曹司

「実力を考えなさい。最近あなたの所の副社長の出す案は、うちの敏明様の二番煎じばかりじゃない?誰もが敏明様の斬新な頭脳には勝てないのよ」

く、くやしい。

でもそれは事実だから何も言えない。

一生懸命考えた案とか
新規の契約から会議の発言まで
主要なものはなぜかあっちの副社長が先に手を回していた。

「でも麻生華子様はうちの副社長のお相手よ。華子様と結婚すると世界的に広がる三ツ星ホテルがうちの社と手を組むから、巨大な名誉と利益が生まれるわ」

一気に私が言うと
市橋理香がグッと言葉に詰まる。

よしよし
そしてここで私は

「じゃぁね」と、さりげなく足早に動き出す。

逃げるが勝ち!

遠回りしてエレベーターの元へ行く。

あぁ副社長。
今日の会議は大丈夫かな。
また弟に遅れをとってないかな。

努力しているし実力もついてきた
何より
会社の事を一生懸命考えている。

華子様は最後の砦。
絶対離してはいけない相手なんだって

今さら自分で感じながら
ズズーンと落ちて行くエレベーターで思う私だった。



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