王子な秘書とシンデレラな御曹司

「派閥争いも関わってきてね……」
静かな会議室
ハンカチで額の汗など拭きながら
部長は私に話し出す。

うちの会社の社長には
息子が二人いるらしい。

二人の御曹司。

ひとりは若くして亡くなった奥さんとの長男。

ひとりは綺麗な後妻さんとの子である次男。

腹違いの兄弟だけど
社長にとっては可愛い我が子。

まずは二人を副社長として呼び
どちらかを
後継者にしようとしているらしい。

「長男の彼を専務派である次男から守って欲しい」

「専務派ですか?」
あの市橋理香が秘書に付き
立派な部屋に机を置く
俺様御曹司が次男で専務派なんだ。

「次男は田崎専務と手を組んでいる。彼が後継者になれば全てが終わる」

部長
その一言は
下っ端平社員の私には重すぎます!

記憶を消すから
この任務から解放して下さい。

「半年間頼む。君しかいないんだ」

そう言われても
昨日の状況とは話が違ってる。
御曹司が二人いるなんて

あの俺様御曹司との待遇の違いはどうしてくれよう。

「それからね」

「はい」

「重役で唯一の味方である常務は、田崎専務の策略で今日から半年間海外出張だ」

「はいぃ?」
頼れる死神は旅に出ただと?

「全てが敵と思って間違いないから」

笑顔で言われてしまい

部長の声が遠く聞こえた。





< 15 / 245 >

この作品をシェア

pagetop