王子な秘書とシンデレラな御曹司
反対隣はどこの課かわからないけど、新入社員の男の子。
「お願い代わって」必死に訴えるけど
「絶対無理です」もっと必死に返事された。
こんなお偉い人の隣なんて初めてかも。
いつもクジ運が良すぎたのだろう。
今年は仕方ない。
しっかり挨拶して隣に座る私。
超緊張。
重役フロアではたまに会うけど、こんな近距離で隣に座るって事はないからな。
無事終わるように頑張ろう。
隣の社長は正面を向き
バリバリな威圧感を私に与えてくれる。
やっぱオーラがあるなぁ
大企業の社長だもんね。仕事一筋の人。
前に副社長がポツリと言ってたなぁ
仕事仕事で家を留守にして
すぐ新しい奥さんもらって俺様弟も生まれて
副社長は寂しい想いをしてた……って。
でも
亡くなった奥さんの好きな花を社名に変えた男性だから、愛情は深いと思う。
横顔が副社長に似ている。
つい隣で見ていると
「竹下さん」って低い声が私の名前を呼んだ。
「はいっ」背筋がピーンと伸びてしまう。
どことなく華子様オーラと似ていた。
それが上に立つ人って事か。
「啓司がいつも世話になってます」
父親目線で社長はそう言った。
思いがけない言葉に私は驚く。
「いえ……そんな大した事はしてません」
「いつも言ってますよ『雅さんのおかげで何とか頑張れてる』ってね」
声も似ている。
そして
いたずらっぽく笑った笑顔も似ている。