王子な秘書とシンデレラな御曹司

でも本人は楽しそうに自分の机を片付け
バーカウンターにエスプレッソメーカーをセットしていた。

この状況をわかっているのか?
「備え付けのパソコンが一台しかないので、竹下さんの机にセットしました。常務からの指示や仕事内容がそちらに届くそうですから僕は自分のを使います」

「あの」

「何でしょう?」

「先ほどはすいません。副社長にご挨拶もせず飛び出しまして」

「気にしないで下さい」
柔らかくて穏やかな声をしている。
威圧感もなく心地よい。

「総務課の竹下 雅です。半年間、副社長のお手伝いをさせていただきます」

「岸本啓司です。社の研究所で今朝まで仕事してました」

「研究所ですか?」

「はい。僕はずっとそっちにいたんです」

だから白衣か。
研究者だったんだ。
化粧品を作る方か。

さっき会った俺様御曹司の弟と同じくらいの背の高さで、180は軽くあるだろう。
髪はボサボサ
黒縁メガネ
色が白くて ひ弱で
いかにも研究者って感じそのもので

大丈夫か?

色んな不安が頭をよぎる。


< 17 / 245 >

この作品をシェア

pagetop