王子な秘書とシンデレラな御曹司

週末は副社長から電話が『大丈夫ですか?』と、一日三回入る。
食後のお薬みたいなものか。

それから
高級果物店の果物とピンクのバラの花が50本、私の部屋に届く。

社長からのお見舞い。

どんな罰ゲームでしょう。
ただの総務の女にマスクメロンを届けないで下さい。
新年会のラストを台無しにした私なんですから。

次に会った時
どんな顔をすりゃいいんだ。

でも思ったより優しそうな人だった。
副社長に顔も似てるし
性格も似てそう。
ちょっとめんどくさそう。
隣に座れてよかったかも。

週末で体調も良くなってきた。

よし。
月曜日から頑張ろう。

心配かけて
迷惑かけた分を取り返すぐらい頑張らなきゃ。

副社長にお姫様だっこされたんだね私。

本当にお姫様だっこって自分がお姫様になった気持ちになる。

恥ずかしくて申し訳ない出来事だったけど

彼の腕の中に抱かれた。

もう二度とないと思ってた
あきらめていたけれど

嬉しかった。






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