王子な秘書とシンデレラな御曹司

「雅さん?」

唇かみしめ
そんな事を考えて黙っていると、不思議そうに副社長が声をかけてきた。

いかんいかん。
意識飛んでた。

「えーっと。チョコが美味しそうですね」
嬉しくて並べていると
どこから見ても本気チョコがチラホラと見えてきた。
綺麗な顔で有名な人事部の池田さんのチョコもある。
人気だなぁ。

「一緒に食べましょう。コーヒーとチョコって合うんですよ」

「そーなんですか?」

「同じ生産地が多いので相性はいいです。チョコが甘いのでインドネシア産の苦いのがおススメです。焙煎も深い方がいいでしょう」

「あ……あのっ」
忘れちゃならない。
私は机の下に用意していた紙袋から用意していたチョコを副社長に渡した。

「いつもお世話になってます。私からです」
そう言って渡すと
副社長は「えっ?」って驚いてから子供のように顔をほころばせ喜んだ。

「僕に?雅さんから?」

「はい」

「もらっていいんですか?返しませんよ」

「どうぞ。コーヒーを練り上げたチョコみたいです」

「ありがとう」
副社長はチョコを抱きしめ満面の笑み。
いやちょっと大げさ。

「これは僕が家でひとりで食べます。雅さんにもあげません」

きっぱりスッキリ断言。
子供かっ!

「雅さんからもらっちゃったー」と、スキップでもしそうなくらい弾んでます。
チョコひとつでそんなに喜ばないで欲しい。

そんな笑顔を見れば見るほど
華子様と結婚が近いあなたを見るのがつらくなるから。
< 179 / 245 >

この作品をシェア

pagetop