王子な秘書とシンデレラな御曹司

いかん。仕事しよう。
パソコンを開くと死神常務からの海外メール。

どうした?
何かやらかしたか私。
次のミッションか?
緊張しながらメールを開くとやはり俺様副社長の仕事のデキが良すぎて、うちの副社長の影が薄い件のお説教。

でもね常務。
それらのお手柄は全てうちの副社長が先に考えていた案なんですけど……この世界は結果が全てだものね。
途中経過は関係ない。
心してお説教を読んでいるとラストの結び文が

【バレンタインのチョコが届いてない】だった……。

読まなかったふりをしよう。

「雅さん」

「はい」
名前を呼ばれて顔を上げると
副社長は小さな三食だんごを私に差し出した。

「おだんごですか?」
プラスチック製品で手のひらに収まるサイズの可愛らしさ。
ストラップかな。

「食べちゃいけませんよ」
笑いながら先端に付いているピンク色のお団子を外すと、そこにはよく見るシルバーの物が。

「USBメモリーですね」

可愛らしい。初めて見たこの形。

「可愛いから雅さんが持っていても不思議じゃないでしょう」

「え?」
まだ理解できない私に、副社長はそれをそっと握らせた。

「預かって下さい」

「何でしょうこれは」

「田崎専務と僕の弟の不正が全てこれに入ってます」
真剣な顔で言われてしまった。

いやだーーー!
そんな重要物件は預かりたくないーーー!
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