王子な秘書とシンデレラな御曹司
でもどこに置こうか
ウロウロと机の中を引っかき回していると
「そこの消しゴムの横でいいですよ」って軽く言われる。
「でも重要機密ですから」
「いいですよ。誰もそれが重要とは思わないでしょう。普通に置いて下さい」
「帰る時には机に鍵をかけますね」
「ありがとうございます。安心です」
副社長はやっと微笑んで、天井に向かって大きく伸びをする。
重荷を下ろした感じ。
そしてその重荷は私の机の中。
「チョコをいただきましょうか。お返しっていつでしたっけ?3月3日でしたっけ?」
いや
それはひなまつり。
田崎専務と俺様副社長の不正の証拠を手に入れたというのに、うちの副社長はいつも通り軽く穏やかであり、自ら何も動かない雰囲気だ。
「副社長」
「何ですか?」
「これはいつ暴くのですか?」
「これですか?」
私の質問を不思議そうな顔で見つめる。
「こんな話はしたくないのですが、今の状況はあまりよくありません」
こんな図々しい事を言っていいのだろうか
「副社長のアイデアがあちらに全て被ってます。そしてお手柄は全てあちら側です」
「すごい偶然ですよね」
「本当にそう思ってるのですか?」
自分の声が荒く乱れているのがわかった。