王子な秘書とシンデレラな御曹司
どうして?
どうして鍵が開いてるの?
おだんごさんはどこにあるの?
震える手で引き出しの中を引っかき回して探すけど……ない。
ここじゃないかも
広い手元の引き出しか
小さいから転がって机の裏に入ったか、どこかに落ちてるかも。
狂ったように机の中を探すけど
どこにもない。
「雅さん」
「ない……どうして?」
あんな大切な物。
コピーも取ってない物。
涙がボロボロ溢れ出す。
「大切な物がありません」
「大切な物って?」
「せっかく副社長が私を信頼して預けてくれたのに、絶対昨日は鍵をかけたのに……どうしてないんだろう」
涙で目の前がよく見えないまま
もう一度
手探りで机の中に手を入れると、裂かれたような痛みが手の甲を襲う。
引き出しのスライドで傷付けてしまった。
「雅さん血が出てる」
「いいんです」
「よくないでしょう」
副社長は自分のハンカチで私の手を押さえて泣き顔を見る。
「副社長」
「医務室っぽい場所ありましたよね。何階でしたっけ?」
「私……」
「大丈夫?落ち着いて」
「大切な大切な。USBメモリーが……預かったおだんごが……ありません」
「え?」
「無くしました。私のミスです。すいません。大切な証拠を無くしました。ごめんなさい」
大泣きしながら座り込み
ただひたすら謝るしかない。
大切な証拠なのに。
私の責任だ。