王子な秘書とシンデレラな御曹司
副社長が
様子が変だなーって思ったのは
12月の中旬の話。
蛍光灯が明るくなった。
じーっと天井をよくよく見れば
蛍光灯の隣に
小さな四角い何かがこちらを向いている。
総務に電話して
最近蛍光灯を変えたか聞いてみると、NOと返事。
ふと
コーヒー仲間の警備室に電話を入れると
先週の日曜日。
業者がいきなりやって来て
『副社長から蛍光灯を取り換えるよう言われた。鍵を開けて欲しい』そう言われ、指示に従ってこの部屋を開けたそうだ。
総務を無視して勝手に交換。
もちろん
自分でそんな指示は出してない。
違和感が溢れる。
そして最近の弟の動きが変だ。
妙に自信たっぷりで
こちらの考えを見透かすような動きが気になる。
見透かすような……ではなくて
見透かされてる気がする。
時間をかけて調べた事柄も
浮かんだアイデアも
弟に全て取られていた。
最近仲良くなったシステム部の小堺さんを呼び、部屋をチェックしてもらうと小堺さんは『特に大丈夫ですよ。それより豆を見せてもらっていいですか?』そう言ったので、副社長はコーヒー豆を小堺さんに渡すとタイミングがずれたのか『あーっすいません』って豆の缶を落してしまい、部屋中に豆が散らばる。
『すいません。すいません』って机の中に小堺さんが潜って拾おうとしてたので、一緒に潜って拾おうとすると
机の下
強い力で小堺さんは副社長の腕を引っ張り
人差し指を立てて自分の唇に当て
身振りで【声を出さないように】告げ
机の裏側にピッタリ貼りついている、親指ほどの小さなマイクを指さした。
二人は無言で起き上がり
「すいません。僕、掃除機借りてきます」と、小堺さんは部屋を出て
「場所知ってますか?」と、副社長は追いかけ
部屋を出て
給湯室で二人は真剣に語り合う。