王子な秘書とシンデレラな御曹司

空気が読めたのか
お互い忙しくなったのか

それから個人的な連絡はなかった。

もう私達は終わった。

自分の希望通りだけれど
心の中が空洞になってる自分がいる。

失恋後遺症。

「今年は部長レベル高いね」
先輩に話しかけられて我に返り

「そーですねー」って返事をしていると

広いフロアの奥の方で
なにやらザワついている。

どうしたの?来客?

何の気なしに目で追ってたら

ひとりの人物が
まっすぐ私の方に向かってやって来る。

私は身体が強張ってしまい
言葉も出ず
ただ
彼を見つめてしまう。

「雅」
親友が私を呼ぶ声も聞こえない。

私の意識は彼から逃れられない。

彼もまた私から目を離さず
私だけを見つめてやって来る。

緩やかにウエストをシェイプしたアルマーニのスーツ。

目が赤い
頑張ってコンタクト入れた成果だろう。

彼は私の目の前に現れ
花束を私に渡す。

ピリピリとした緊張感が二人の間に漂った。
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