王子な秘書とシンデレラな御曹司
エンドロールに隠された真実



「何が聞きたい?」

久し振りに至近距離で見る華子様は、美しくも威圧感があり背筋がピンと伸びてしまう。

ツーショットに緊張するわ。

漆黒ストレートの長い髪
白い肌に彫の深い顔立ち
グリーンのカラコンがよくお似合い。
やっぱ
迫力ありますわ。

啓司さんからのプロポーズを受けたその週末。

私は華子様が所有する高級ホテルのラウンジで、向かい合いコーヒーを飲む。

「啓司のコーヒーの方が美味しい」
ポツリと言う華子様の一言に私はクスッと笑ってしまう。

その私の笑顔を見て
華子様も安心したように少し微笑んでくれた。

「いい顔をしてるな雅」

「気持ちが少し落ち着いたからだと思います」

「ずっと誤解してたのか?」

「ずーっとしてました」

「バカな女だ」

「おっしゃる通りです」

私達はまた笑う。

ケタ外れのお金持ちのお嬢様で
その行動もケタ外れだけれど
華子様は賢くて優しい人だった。

「最初から話をすると、私の婚約相手は誰でもよかった」
無表情で華子様は私に告げる。

「そうなんですか?」

「あぁ人間なら誰でもいい」

人間ならときたもんだ

どうやらこっちの話もぶっ飛んでそうな気がする。
気持ちを引き締めて聞かなきゃいけないかもしれないよ。

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