王子な秘書とシンデレラな御曹司
ビシッとしたアルマーニのスーツから部屋着に着替えた彼。
濃いグレーのスエットはゆるゆるしてるけど、足首の裾で締まってるのでだらしなさはない。
上は白のTシャツとグレーのパーカー。
パーカーが似合って可愛らしいな。
年令より若く感じる。
こうやって
知らない一面を知っていくのが
楽しくて嬉しいね。
食事の用意をしようとするけど
彼がキョロキョロ部屋を見るので落ち着かない。
「もういいから座ってて」
あまり見られると恥ずかしいよ。
「ごめん。でも楽しい」
彼もまた
私と同じ事を思っているんだろう。
そう考えるとまた嬉し恥ずかし……いや、乙女かっ!
しっかりしろ私。
「すぐ用意しますね」
彼を二人掛けのソファに座らせて、食器を出してると
「雅さん?」彼が声をかける。
「何ですか?」
「雅さん」
「はい」
「雅さん」
もう。何なんだ?
さっきから人の名前しか呼ばない彼を不思議がり、顔を見ると彼はニコニコ顔。
「用はないんですけど」
ないのかよ。
「同じ部屋に雅さんがいて、名前を呼ぶと返事をしてくれるって幸せだなぁって思って」
平然と人の顔が赤くなる発言をするんだね。
そんなカワイイ事を言われた事ないわ。
幸せすぎて
バカップルになりそうで怖い。