王子な秘書とシンデレラな御曹司
「あ、雅さん覚えてる?」
「何を?」
「三食団子を失くした時、雅さんはパニくって『何でもします』って僕に言ったよね」
ズルそうな笑顔に嫌な予感。
「言ったけど……あれは罠にかけた啓司さんが悪い」
「でも言いましたよね」
胸にグサッとくる一言。
ついあの時は頭がグルグルして、もう人生終わった感に溢れてしまい……言ってしまった。
「2本目を持ってきまーす」
ワインが空になったので
会話をごまかす為
冷蔵庫に逃げようとすると腕を引っ張られてしまい
身体のバランスが崩れて
彼の膝の上にちょこんと横座り。
「雅さん可愛い」
ギュッとそのまま抱きしめられてしまった。
ドキドキしながら
そのまま彼の腕の中で小さくなる私。
「雅さんはよく頑張りました」
優しいキスが頬に降る。
「いっぱい心配かけた。クリスマスの次の日、冷たい態度をとってごめん」
「ちょっとだけ泣きたかった」
「ごめん」
彼は本当に申し訳なさそうな声を出し、私を抱く手に力を入れる。
ううん。
こっちこそごめんなさい。
今ならわかるよ。
私に被害が来ないよう
私を守る為に知らん顔してたんだよね。
逆にそこまで大切にしてくれて
ありがとう。